ドイツの奨学金と大学にかかるお金

今日は奨学金からドイツの大学にかかるお金の話を少し。



*2002年ごろの話なので、今はバチェラーやマスターなどが導入され、教育課程自体、異なっています。学生登録をする利点は、金額を除けば変わっていないと思います。


ドイツ向け奨学金というのは数が少なく、またドイツにおいて外国人として奨学金をもらうというのもこれまた楽でないため、日本からのドイツ留学者は結構苦労しております。最近は、「数年働いて、お金が貯まったところでやめてドイツに留学しました」という方もちらほらいらっしゃいます。ちなみにドイツ語圏留学のための奨学金応募先、システムについて詳しく知りたい方は、こちらのHPをどうぞ。http://ask.c.u-tokyo.ac.jp/~asoh/Stipendium01.htm 恩師のサイトですが、本格的に調査なさっているので、とても役立ちます。

さて、ドイツはほんの一部を除いたほとんどの大学が国公立で、今のところ学費が殆どかからないため(入学金もなし)、本当に学びたくてお金がないひとにはありがたい国です。

ただ、最近は各州や国の財政難、他の国に比べて異様に在学期間が長いなどの見地から、例えば通算7年以上の学部&修士(ドイツはこれ、一緒です)在学者に対しては、半期500ユーロ(6万円ちょっと)の納入義務を導入したりなど(バーデン・ヴュルテンベルク州)、各種学費納入制度の導入が計画、施行されています。最近ベルリンでもこの制度導入の決定がなされましたが、最後の最後で停止になっています。この学費支払いは、病気、経済上の理由、また、刑務所に入っていた場合などに限って、猶予を申請できることになっています。

2003年1月現在、バーデン・ヴュルテンベルク州は2003/04年冬学期からの全学生に対する学費導入を検討中で、実施されると新一年生から一学期500ユーロ払うことになります。
それでも日本のちょっと狂っているとしか思えない学費を考えると格段に楽ですけれども.
(国立大学が私立との格差を減らすために自らの学費を値上げするというコメントが狂っていなくてなんであろう)。

*ドイツ国(州)立大学における学費納入制度は2011年頃を導入のピークとして、以後、徐々に停止に至り、現在はバイエルン州/ニーダーザクセン州をのぞき、初めて大学で学ぶ場合には授業料はなし、バイエルン州、ニーダーザクセン州もそれぞれ、2013/14の冬学期、14/15の冬学期からひとまず停止予定です。但し2回目以降の学業や長期学生についてはこの限りではありません。また、芸術等、特殊課目を専攻する場合は別途費用がかかる場合があります。そのほか、事務手数料は毎学期、100-300ユーロ程度必要です(ベルリンは高いが、その分定期などが非常にお得らしい)。

一般の学生は、学生登録をして正規の学生になります。学生登録をして得られる利益は、
1. 学生証があるのでいろいろなところで学割が利く、
2. 例えばこの大学では大学のある市内バスのチケットが学生チケットとして格安で買える、
3. 学生寮に住める

などで、そのために学生互助会に半期で57ユーロ、およそ6000円(2003/02時点では7400円.ユーロ高のため)を払います。この中には、定期利用料の一部も含まれています。

定期はこのシステムに切り替えられてから非常に安くなりました。
このあたりでは今年の初めから、バス・鉄道定期・チケットに関して、
一つの区域を超えるごとに料金が加算されるシステムが導入されました。
学生定期は半年分で約32ユーロ(4000円強)、これで特定の区域内(大抵一つの市町村)が各線乗り放題です。
一般向けの定期では、ひと月34ユーロ(4500円弱)になります。一月分の一般定期よりも安い6ヶ月学生定期というのはとてもありがたい存在です。

さて、27歳以下、30歳以下、25歳以下のいずれかのカテゴリーに属した場合、保険料、銀行登録&使用料、鉄道を割安に利用できるカードなどにも学生料金が適用されます。どの年齢区分が適用されるかは、サービスを受ける団体の規定によります。20代のうち、もしくは留学生などにはこれらの特典はありがたいものですが、30を越した人や、こちらに職がある留学生や外国人には必ずしも益があるというわけではありません。特に、14学期間(7年間)以上学生でいると、毎学期6―7万円払うのとこれらの特典を得るのとどちらがよいかということにもなります。また、各種証明なしに学生でいることもかなり難しくなりました。

次は大学院のお話。


























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